「歯磨きは5分以上しています!」
「毎回しっかり時間をかけて磨いています!」
歯科医院でも、このようなお話を聞くことがあります。
確かに歯磨きは大切です。
しかし実は、
👉 長時間磨いている=汚れが取れている
とは限りません。
診療をしていると、
10分以上磨いていても磨き残しが多い方もいれば、
3分程度でもとても上手に磨けている方もいます。
歯周病や虫歯を予防するために本当に大切なのは、
👉 歯みがきの時間よりも質
です。
今回は、
・歯磨きは長ければ良いの?
・磨き残しが多い場所
・質の高い歯磨きとは?
・歯周病予防のポイント
について歯医者がやさしく解説します。
歯磨きの目的は何?
まず大切なのは、
歯磨きの目的を知ることです。
歯磨きの目的は、
👉 歯垢(プラーク)を取り除くこと
です。
歯垢とは、
細菌のかたまりです。
歯周病も虫歯も、
この歯垢の中の細菌が大きく関わっています。
つまり、
歯磨きは
👉 歯を磨くこと
ではなく
👉 細菌を減らすこと
が本当の目的なのです。
長時間磨いても意味がないことがある?
例えば、
同じ場所ばかり磨いている場合を考えてみましょう。
10分磨いていても、
歯と歯の間や奥歯に毛先が届いていなければ、
汚れは残ったままです。
逆に、
磨き残しが多い場所を意識して磨けば、
短時間でも効率よく清掃できます。
磨き残しが多い場所
歯科医院で染め出しをすると、
よく汚れが残っている場所があります。
歯と歯の間
最も磨き残しが多い場所です。
歯周病や虫歯が起こりやすい部分でもあります。
奥歯の裏側
見えにくく、
歯ブラシが届きにくい場所です。
一番奥の歯
特に親知らずの周囲は汚れがたまりやすくなります。
歯並びが重なっている部分
毛先が届きにくくなります。
歯磨きで大切なのは「毛先」
歯磨きで重要なのは、
👉 歯ブラシの毛先が汚れに当たっているか
です。
どれだけ時間をかけても、
毛先が当たっていなければ汚れは取れません。
そのため、
歯ブラシをただ大きく動かすのではなく、
細かく動かすことが大切です。
力を入れすぎるのも逆効果
一生懸命磨こうとして、
ゴシゴシ強く磨く方もいます。
しかし、
強い力で磨くと
・歯ぐきを傷つける
・歯ぐきが下がる
・歯の根元が削れる
可能性があります。
歯磨きは、
力ではなく正しい当て方が重要です。
一般の方におすすめの磨き方
まずおすすめしたいのは、
👉 スクラビング法
です。
やり方
✅ 歯ブラシを歯に直角に当てる
✅ 小刻みに細かく動かす
ポイント
✅ 力を入れすぎない
✅ 毛先を意識する
毎日の基本として取り入れやすい方法です。
縦磨きを組み合わせる
さらに、
👉 1歯ずつの縦磨き法
もおすすめです。
特に有効な場所
✅ 前歯の裏側
✅ 歯並びが重なっている部分
✅ 奥歯の細かい部分
歯ブラシを縦に使うことで、
細かな部分まで毛先が届きやすくなります。
フロスを使っていますか?
実は、
歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを十分に落とせません。
そのため、
歯周病予防では
👉 フロス
が非常に重要です。
歯周病は、
歯と歯の間から始まることが少なくありません。
歯ブラシだけで安心せず、
フロスも取り入れることがおすすめです。
時間の目安はどれくらい?
「何分磨けばいいですか?」
と聞かれることがあります。
実際には、
👉 ○分磨けば大丈夫
という明確な基準はありません。
大切なのは、
磨き残しが少ないことです。
一般的には、
3〜5分程度を目安に、
丁寧に磨く方が多い印象です。
歯科医院で感じること
診療をしていると、
「毎回10分磨いています」
という方でも、
歯と歯の間に歯垢が多く残っていることがあります。
一方で、
3分程度でも、
フロスを使いながら丁寧に磨いている方は、
歯ぐきの状態が良いことが少なくありません。
やはり、
歯磨きは時間より質が大切だと感じます。
まとめ
歯磨きは、
長時間行えば良いというものではありません。
大切なのは、
👉 汚れがたまりやすい場所に毛先を当てること
👉 フロスを使うこと
👉 毎日続けること
です。
歯周病予防では、
時間よりも質を意識した歯磨きが重要です。
毎日の歯磨きを少し見直すだけでも、
お口の健康は大きく変わるかもしれません。
ひとこと
歯磨きは「何分やったか」ではなく、「どれだけ汚れを落とせたか」が大切です😌
忙しい日でも、ポイントを意識して丁寧に磨くことができれば、お口の健康を守ることにつながります。
長く磨くことを目標にするのではなく、磨き残しを減らすことを目標にしてみてください🦷✨
毎日の小さな積み重ねが、将来の歯と歯ぐきの健康を支えてくれます。
参考文献・参考資料
- 日本歯周病学会『歯周病の診断と治療の指針 2022』
- 日本歯周病学会『患者さんのための歯周病ガイド』
- 日本口腔衛生学会『歯間清掃用具活用指針』
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病」
- Newman MG, Takei HH, Klokkevold PR, Carranza FA. Carranza’s Clinical Periodontology. 13th Edition.
- Lindhe J, Lang NP. Clinical Periodontology and Implant Dentistry. 6th Edition.
- Worthington HV, MacDonald L, Poklepovic Pericic T, et al. Home Use of Interdental Cleaning Devices and Toothbrushing for Preventing and Controlling Periodontal Diseases and Dental Caries. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2019.
- Chapple ILC, Van der Weijden F, Doerfer C, et al. Primary Prevention of Periodontitis: Managing Gingivitis. Journal of Clinical Periodontology. 2015.
- Axelsson P, Lindhe J. Effect of Controlled Oral Hygiene Procedures on Caries and Periodontal Disease in Adults. Journal of Clinical Periodontology. 1981.
- World Health Organization (WHO). Oral Health Fact Sheets.

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