「定期的に歯石を取っているのに歯周病と言われた…」
「歯石を取れば歯周病は予防できるんじゃないの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
実は歯科医院でよく聞かれる質問のひとつです。
確かに、
👉 歯石とりは歯周病予防に大切
です。
しかし、
👉 歯石を取るだけでは歯周病は防げません。
ではなぜ、
定期的に歯石を取っていても歯周病になることがあるのでしょうか?
今回は、
・歯石とは何か?
・歯周病との関係
・歯石とりの本当の意味
・歯周病予防で本当に大切なこと
について歯医者がやさしく解説します。
そもそも歯石とは?
歯石とは、
👉 歯垢(プラーク)が硬くなったもの
です。
歯垢は、
細菌のかたまりです。
歯磨きで取り除けなかった歯垢が、
唾液中のミネラルと結びつくことで歯石になります。
一度歯石になると、
歯ブラシでは落とせません。
そのため歯科医院で除去する必要があります。
歯周病の本当の原因は?
ここで大切なのが、
👉 歯周病の原因は歯石ではない
ということです。
歯周病の主な原因は、
👉 歯垢(プラーク)の中の細菌
です。
歯石そのものが歯ぐきを溶かしているわけではありません。
つまり、
歯周病の主犯は細菌であり、
歯石はその細菌が住みやすい環境を作っている存在なのです。
ではなぜ歯石を取るの?
歯石の表面はザラザラしています。
そのため、
細菌が付着しやすくなります。
歯石を放置すると、
さらに歯垢がたまり、
歯周病が進行しやすくなります。
つまり歯石とりは、
👉 細菌が住みにくい環境を作るため
に行うのです。
歯石を取っても歯周病になる理由① 毎日歯垢は作られる
歯石を取った直後のお口はきれいです。
しかし、
細菌は数時間後から再び付着し始めます。
つまり、
歯石を取っただけでは終わりではありません。
毎日の歯磨きができていなければ、
再び歯垢がたまり、
歯周病が進行する可能性があります。
歯石を取っても歯周病になる理由② 歯周ポケットの中の細菌
歯周病が進行すると、
歯と歯ぐきの間に
👉 歯周ポケット
ができます。
ポケットの奥には、
酸素を嫌う歯周病菌が潜んでいます。
この部分は、
通常の歯磨きだけでは届きません。
そのため、
歯石除去だけでなく、
歯周ポケットの管理も必要になります。
歯石を取っても歯周病になる理由③ 喫煙や糖尿病
歯周病は細菌だけの病気ではありません。
例えば、
喫煙
糖尿病
ストレス
睡眠不足
栄養状態
なども大きく関係しています。
歯石を取っていても、
これらのリスク因子があると歯周病が進行しやすくなります。
歯石を取っても歯周病になる理由④ 歯磨きのクセ
診療していると、
「毎日しっかり磨いています」
という方でも、
磨き残しが多いことがあります。
特に、
✅ 奥歯の裏側
✅ 歯と歯の間
✅ 被せ物の周囲
は磨き残しが多い場所です。
歯ブラシだけでは限界があるため、
フロスや歯間ブラシも重要になります。
歯石とりの本当の意味とは?
多くの方が、
「歯石を取ること=治療」
と思っています。
しかし本当は、
👉 歯周病になりにくい環境を整えること
が目的です。
歯石を取るだけで歯周病を治しているわけではありません。
その後のセルフケアがとても重要なのです。
定期検診では何を見ているの?
歯科医院では、
単に歯石を取っているだけではありません。
実際には、
歯周ポケットの深さ
出血の有無
歯ぐきの状態
磨き残し
歯の揺れ
などを確認しています。
歯周病は早期発見が大切だからです。
歯周病予防で本当に大切なこと
歯周病予防の主役は、
実は歯科医院ではありません。
👉 毎日のセルフケア
です。
そのうえで、
歯科医院の定期管理を組み合わせることが大切です。
歯ブラシ
毎日の基本です。
フロス・歯間ブラシ
歯周病予防には欠かせません。
定期検診
自分では落とせない汚れを除去します。
生活習慣の改善
睡眠や栄養も大切です。
まとめ
歯石を取っているのに歯周病になることは珍しくありません。
なぜなら、
歯周病の本当の原因は
👉 歯垢(プラーク)の中の細菌
だからです。
歯石とりは、
細菌が住みにくい環境を作るための大切な処置です。
しかし、
歯周病予防で最も重要なのは、
毎日の歯磨きやフロスなどのセルフケアです。
歯石とりはゴールではなく、
お口の健康を守るためのスタートラインなのです。
ひとこと
「定期的に歯石を取っているから大丈夫」と思いたくなる気持ちはよくわかります😌
でも実は、お口の健康を守る主役は毎日のセルフケアです。
歯科医院での歯石とりは、その頑張りをサポートするための大切なメンテナンスです。
歯石を取ることだけを目的にするのではなく、「歯周病になりにくいお口を育てる」という視点で考えてみると、定期検診の意味も少し変わって見えるかもしれませんね🦷✨
参考文献・参考資料
- 日本歯周病学会『歯周病の診断と治療の指針 2022』
- 日本歯周病学会『歯周病患者におけるメインテナンス・SPT治療指針』
- 日本臨床歯周病学会『歯周病の基礎知識』
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病」
- Newman MG, Takei HH, Klokkevold PR, Carranza FA. Carranza’s Clinical Periodontology. 13th Edition.
- Lindhe J, Lang NP. Clinical Periodontology and Implant Dentistry. 6th Edition.
- Axelsson P, Lindhe J. The Significance of Maintenance Care in the Treatment of Periodontal Disease. Journal of Clinical Periodontology. 1981.
- Axelsson P, Nyström B, Lindhe J. The Long-term Effect of a Plaque Control Program on Tooth Mortality, Caries and Periodontal Disease in Adults. Journal of Clinical Periodontology. 2004.
- Tonetti MS, Greenwell H, Kornman KS. Staging and Grading of Periodontitis. Journal of Periodontology. 2018.
- World Health Organization (WHO). Oral Health Fact Sheets.

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