「毎日きちんと歯磨きしているのに歯ぐきが腫れる…」
「最近、口が乾きやすくなった…」
「急に歯ぐきが大きくなった気がする…」
そんな症状がある方は、
👉 飲んでいる薬
が関係しているかもしれません。
実はお薬の中には、
・歯周病を悪化させるもの
・歯ぐきが腫れやすくなるもの
・口が乾きやすくなるもの
があります。
そのため歯科では、
お口の状態だけでなく
👉 「何の薬を飲んでいるか」
もとても大切な情報になります。
今回は、
・薬がお口に与える影響
・歯周病と関係する薬
・歯科受診時に伝えた方がよいこと
について歯医者がやさしく解説します。
歯周病は細菌だけが原因ではない
歯周病の主な原因は
👉 歯周病菌
です。
しかし実際には、
・喫煙
・糖尿病
・ストレス
・睡眠不足
・薬剤
なども影響します。
つまり、
歯周病は細菌だけで起こる病気ではなく、
全身の状態によっても進行しやすくなるのです。
薬がお口に影響する理由
薬には本来の作用以外に、
副作用として
・唾液の減少
・歯ぐきの腫れ
・出血しやすさ
などが現れることがあります。
その結果、
虫歯や歯周病のリスクが高くなる場合があります。
① 口が乾きやすくなる薬
歯周病と特に関係が深いのが
👉 口腔乾燥(ドライマウス)
です。
唾液には
・細菌を洗い流す
・歯を守る
・歯ぐきの炎症を抑える
働きがあります。
そのため唾液が減ると、
歯周病が進行しやすくなります。
口が乾きやすくなる代表的な薬
✅ 降圧薬
✅ 抗うつ薬
✅ 抗不安薬
✅ 睡眠薬
✅ 抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)
✅ 一部の利尿薬
高齢になるほど服薬数が増えるため、
ドライマウスも増えやすくなります。
② 歯ぐきが大きくなる薬
歯科で有名なのが
👉 薬剤性歯肉増殖
です。
歯ぐきが異常に厚くなり、
歯が埋もれたように見えることがあります。
代表的な薬
カルシウム拮抗薬
高血圧の治療薬
例)
・ニフェジピン
・アムロジピン
抗てんかん薬
例)
・フェニトイン
免疫抑制薬
例)
・シクロスポリン
これらの薬を服用している方では、
歯周病があると歯肉増殖が起こりやすくなります。
逆に言うと、
お口を清潔に保つことで症状を軽減できる場合もあります。
③ 出血しやすくなる薬
近年増えているのが、
血液をサラサラにする薬です。
代表例
✅ ワルファリン
✅ DOAC(直接経口抗凝固薬)
・エリキュース
・イグザレルト
・リクシアナ
など
これらの薬を飲んでいると、
歯周病による出血が目立つことがあります。
ただし、
自己判断で薬を中止するのは危険です。
必ず主治医や歯科医師へ相談しましょう。
④ 骨に影響する薬
骨粗鬆症治療薬の一部には、
顎骨への影響が知られています。
ビスホスホネート製剤
デノスマブ
など
これらの薬を使用している方では、
抜歯などの外科処置前に注意が必要です。
そのため、
服薬歴は必ず歯科へ伝えましょう。
高齢になるほど薬とお口の関係は重要になる
高齢者では、
5種類以上の薬を服用する
👉 ポリファーマシー
が増えています。
服薬数が増えるほど、
・口腔乾燥
・味覚異常
・歯周病
・虫歯
などのリスクも高くなります。
そのため歯科でも、
お薬手帳を確認する機会が増えています。
歯科受診時に伝えてほしいこと
歯科医院では、
現在飲んでいる薬を把握することがとても重要です。
受診時には、
✅ お薬手帳
✅ サプリメント
✅ 市販薬
も含めて伝えましょう。
患者さん自身が「歯とは関係ない薬」と思っていても、
実はお口の状態に大きく影響していることがあります。
まとめ
歯周病は細菌だけでなく、
飲んでいる薬の影響を受けることがあります。
特に、
・口腔乾燥
・歯肉増殖
・出血傾向
は歯周病と深く関係しています。
「歯磨きを頑張っているのに改善しない」
そんな時は、
薬の影響が隠れていることもあります。
歯科と医科が連携しながら、
全身の健康とお口の健康を一緒に守っていくことが大切です。
ひとこと
お薬は病気を治したり症状を和らげたりする大切な存在です。
その一方で、お口の中に思わぬ変化を起こすこともあります。
歯ぐきの腫れや出血、口の乾燥などが気になった時は、「歯磨き不足かな?」と思うだけでなく、お薬との関係も考えてみることが大切です😌
歯科医院では歯だけでなく、全身の健康状態も含めて診ています。ぜひお薬手帳も一緒に持参してくださいね🦷✨
参考文献・参考資料
- 日本歯周病学会 編『歯周病学用語集』
- 日本老年歯科医学会『高齢者の口腔機能管理ガイドライン』
- 日本歯科薬物療法学会『歯科医師のための薬物療法ガイド』
- Little JW, Falace DA, Miller CS, Rhodus NL. Dental Management of the Medically Compromised Patient. 9th Edition. Elsevier.
- Newman MG, Takei HH, Klokkevold PR, Carranza FA. Carranza’s Clinical Periodontology. 13th Edition.
- Seymour RA. Drug-induced Gingival Overgrowth. Journal of Clinical Periodontology. 2006.
- Villa A, Abati S. Risk Factors and Symptoms Associated with Xerostomia. Journal of Oral Pathology & Medicine. 2011.
- American Dental Association (ADA). Oral Health Topics: Xerostomia and Medication-Related Oral Changes.
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「ドライマウス(口腔乾燥症)」
- 日本医師会『ポリファーマシー対策のための手引き』

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