「歯が痛くなったら歯医者に行く」
多くの方がそう考えているかもしれません。
しかし実は、
👉 歯が痛くなった時には、すでに病気が進行している
ことが少なくありません。
歯科医師として診療していると、
「もっと早く来ていれば歯を残せたのに…」
と感じる場面もあります。
そこで近年注目されているのが
👉 予防歯科
です。
今回は、
・予防歯科とは?
・なぜ痛くなってからでは遅いの?
・定期検診にはどんな意味がある?
・今日からできる予防習慣
について歯医者がやさしく解説します。
予防歯科とは?
予防歯科とは、
👉 病気になってから治すのではなく
👉 病気になる前に防ぐ
という考え方です。
例えば、
虫歯になってから削るのではなく、
虫歯にならないように管理する。
歯周病で歯がぐらついてから治療するのではなく、
歯周病を予防する。
これが予防歯科の基本です。
痛みは「かなり進んだサイン」
歯は意外と我慢強い組織です。
例えば虫歯の場合、
初期の段階ではほとんど症状がありません。
初期虫歯
✅ 痛みなし
✅ 自覚症状なし
中等度虫歯
✅ 冷たいものがしみる
深い虫歯
✅ 強い痛み
✅ 神経の炎症
つまり、
「痛くなった」
という時点で、
かなり進行していることが多いのです。
歯周病はもっと怖い
歯周病は
👉 沈黙の病気
とも呼ばれます。
なぜなら、
かなり進行するまで痛みが出にくいからです。
気づいた時には、
・歯ぐきが下がる
・骨が溶ける
・歯がぐらつく
状態になっていることもあります。
そして一度失われた骨は、
完全には元に戻りません。
歯は削るたびに弱くなる
歯科治療は大切ですが、
残念ながら
👉 削った歯は元には戻りません。
詰め物や被せ物をしても、
天然の歯と全く同じにはならないのです。
さらに、
治療を繰り返すと
虫歯
↓
詰め物
再発
↓
被せ物
再発
↓
神経治療
再発
↓
抜歯
という流れになることもあります。
これを
👉 歯の寿命のサイクル
と呼ぶことがあります。
だからこそ、
最初から虫歯にならないことが大切なのです。
定期検診では何をしているの?
「痛くないのに歯医者へ行く意味あるの?」
と思われる方もいます。
定期検診では、
単に歯石を取っているだけではありません。
虫歯チェック
初期虫歯の発見
歯周病チェック
歯周ポケット測定
出血の確認
歯石除去
歯ブラシでは取れない汚れの除去
ブラッシング指導
磨き残しの確認
リスク評価
将来の虫歯や歯周病リスクの確認
病気を早期発見することで、
治療の負担を減らせる可能性があります。
定期検診を受ける人は歯を失いにくい
予防歯科が進んでいる国では、
高齢になっても多くの歯が残っています。
日本でも、
定期的にメンテナンスを受けている人は、
歯を失う本数が少ないことが報告されています。
近年は
👉 治療中心から予防中心へ
歯科医療の考え方も変わってきています。
予防歯科で大切なこと
歯医者だけが頑張っても、
歯は守れません。
大切なのは、
患者さん自身の毎日の習慣です。
毎日の歯磨き
基本中の基本です。
フロスや歯間ブラシ
歯ブラシだけでは落とせない汚れがあります。
フッ素の活用
虫歯予防に役立ちます。
バランスの良い食事
歯ぐきや歯を支える体づくりにつながります。
定期検診
プロの管理も重要です。
歯医者は「治療する場所」から「守る場所」へ
昔は、
歯医者=痛くなったら行く場所
というイメージがありました。
しかし現在は、
👉 歯を守るために通う場所
へと変わりつつあります。
定期的なケアによって、
将来の大きな治療を減らせる可能性があります。
まとめ
歯が痛くなってから歯医者へ行くことは決して悪いことではありません。
しかし、
痛みが出る頃には病気が進行していることも少なくありません。
虫歯も歯周病も、
早く見つけるほど負担を減らせます。
だからこそ、
予防歯科の考え方が大切なのです。
歯を削らないために。
歯を抜かないために。
そして、
自分の歯で長く食事を楽しむために。
ぜひ定期的なお口のチェックを習慣にしてみてください。
ひとこと
歯は、一度失うと元には戻りません。
だからこそ、「悪くなったら治す」よりも「悪くならないように守る」ことがとても大切です😌
毎日の歯磨きも、定期検診も、未来の自分への投資です。
10年後、20年後も自分の歯で美味しく食事を楽しめるように、今日からできる予防を少しずつ続けていきましょう🦷✨
参考文献・参考資料
- 日本歯科医師会『予防歯科に関する資料』
- 日本歯周病学会『歯周病の診断と治療の指針 2022』
- 日本口腔衛生学会『う蝕予防のためのフッ化物応用ガイドライン』
- 厚生労働省『歯科口腔保健の推進に関する基本的事項』
- Axelsson P, Lindhe J. The Significance of Maintenance Care in the Treatment of Periodontal Disease. Journal of Clinical Periodontology. 1981.
- Axelsson P, Nyström B, Lindhe J. The Long-term Effect of a Plaque Control Program on Tooth Mortality, Caries and Periodontal Disease in Adults. Journal of Clinical Periodontology. 2004.
- Featherstone JDB. The Science and Practice of Caries Prevention. Journal of the American Dental Association. 2000.
- Tonetti MS, Jepsen S, Jin L, Otomo-Corgel J. Impact of the Global Burden of Periodontal Diseases on Health, Nutrition and Wellbeing. Journal of Clinical Periodontology. 2017.
- World Health Organization (WHO). Oral Health Fact Sheets.
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯と口の健康」

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